ep8 ぽんくす、セラルカへ逝く～本編～

BANX「こんばんくす！最近すっかり飛びから離れてしまっていました。
　　　　今回はバッチリ飛びレポ報告、行かせていただきますよ！

　　　　さて、ようやくセラルカ編です。
　　　　ぽんくす君は既にセラルカへと旅立ちました。
　　　　今回はお嬢がついているので、ダメージ問題も解決ですし、
　　　　有意義な結果が出そうですね！
　　　　
　　　　僕はセラルカにて彼らの到着を待つとしましょう。
　　　　

 

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～ファンブルグ西警護官の日記～


○月×日

今日もファンブルグは平和だ。
外からモンスターが侵入してくることもなく、冒険者達は皆、意気揚々と西口を出て行く。

相変わらず、レベルに見合わず西を目指す輩も多い。
私の役目は外敵から城を守るだけではなく、そんな命知らずな輩に忠告を与えることもあるのだ。
まあ、皆聞く耳を持たないのだが、痛い目を見て帰ってきた連中に冷ややかな視線を与えて
やるのは、私のちょっとした趣味である。

悪趣味だと笑われても構わない。
とにかく、この仕事は退屈なのだ・・・。

さて、今日も命知らずな輩が来るだろうか？





























警護官「んな？！！」







警護官（LV1が二人だと？！
　　　　　この若輩ども、完全に冒険をナメてかかっておるな・・・
　　　　　よしここはビシっと）






俺は下っ腹に力を込め、とっておきのバリトンボイスでいつものセリフを言ってやったさ・・・。



























警護官「決まったゼ・・・」



































警護官「はい、無視されました～。
　　　　　いつもの事、いつもの事！！」

～およそ5分後～

警護官「・・・・・・・・・・・・・」









警護官（また中から出て来たか・・・
　　　　　ということはログインゲートで戻ったのか・・・
　　　　　こいつら、俺をからかっているのか？）








俺は大人の心の広さを見せてやるべく、やさしく諭す口調で言ってやった・・・























































警護官「・・・・・・・・・・・・」

～更におよそ5分後～

警護官「・・・・・・・・・・・・」











この日、結局この若輩どもは10回以上同じことを繰り返した。
俺はその都度、いつものセリフをドスを利かせて言ってみたり、ウラ声で言ってみたり、
ツンデレを装って言ってみたりしたが、全てスルーされた・・・。
ヤツらの目的は一体何だったのか？
俺はからかわれていただけなのだろうか・・・・。

とにかく、今日ほど自分の趣味がつまらなかった日も無かった。
明日からは普通に声をかけるだけにしようか・・・。

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～ファンブルグ西病院看護師の日記～

○月×日














俺は看護師。
毎日ファンブルグの怪我人を修理するナイスなおねーさんさ。
こんな俺でも当初はナイチンゲールに憧れたりしていたんだぜ？
今ではすっかり治療は商売と割り切るようになっちまったさ・・・。

おっと？客が来たみてぇだな。

看護師「いらっしゃいｍ・・・じゃなかった。今日はどうされましたか～？」









ぽんくす「すみません、HP回復お願いします～
　　　　　僕と、お嬢のペットを・・・」





看護師（んだよ・・・タダ働きかよ・・・）
　　　　「はいはい。これで宜しいですか？」





記録嬢「♪」






ぽんくす「有難うございます～
　　　　　あ、僕らは治療費タダなんでしたね。
　　　　　なんかお手数かけちゃってすみません～」




看護師（分かってんならレベル上げて来なさい）
　　　　「いえいえ！これが私の仕事ですから！
　　　　お気をつけて下さいね～」




ぽんくす「あ・・・えっと・・・・
　　　　　気をつけます」





看護師「じゃあ、いってらっしゃい♪」

～およそ5分後～

看護師「・・・・・・」






ぽんくす「・・・・」






看護師（こんのクソガキ・・・）
　　　　「・・・気をつけないとダメでしょう？
　　　　見たところ2人ともレベル1みたいですけど、
　　　　そんな無茶な状態で冒険してたら死んじゃいますよ？」



ぽんくす「えっと・・・。
　　　　　LV1は魂飛ぶことないってBANXさんが言ってました・・・」





看護婦「とにかく！
　　　　　もう危険なことはしないこと！！」





ぽんくす「えっと・・・
　　　　　ごめんなさい」

～更におよそ5分後～

看護師（試されているのか？！俺は何かを試されているのか？！）






ぽんくす（うっわ～・・・
　　　　　　とうとう無言になっちゃったよ・・・）















この日、この二人組は10回以上同じことを繰り返した・・・。
最初は苛立つだけだったが、しまいには流石に心配になったものさ。

ああ、それにしても、金の為でなく人の修理をこんなにしたのは
どれくらいぶりだろうか・・・。
たまには悪くないもんだ。
連中は、このことを俺に伝えたかったのだろうか？

俺は初心を忘れすぎているのかも知れないな・・・。

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～その後のセラルカにて～

BANX「やあ、やっと着きましたね。
　　　　まさか一日で達成は出来ないだろうと踏んでいたのですが、
　　　　流石ぽんくす君。色々期待を裏切ってくれますね♪」




ぽんくす「やっぱり、あの縛りは達成させない為だったのか・・・」






BANX「さて、お嬢。
　　　　レポートをお願いします」





記録嬢「♪♪」















































BANX「おお？パーフェクトに飛んでるじゃないですか！！」






ぽんくす「お蔭様で・・・」






BANX「いや、実に残念！！」






ぽんくす「はい？？」






BANX「ダメージが大きすぎるんですよね。
　　　　飛び条件を絞り込むには最大HPの1.5倍近辺の
　　　　被ダメのデータを収集して欲しいんですよねぇ」




































































ぽんくす「じゃあセラルカに来させるなよ！！！」






BANX「さて、お嬢
　　　　今回は面白い写真は撮れましたか？」





記録嬢「♪」






BANX「ほう？！これはこれは・・・」

















　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　↓　これ

 

BANX「これは良い写真じゃないですか♪
　　　　お嬢、GJです！
　　　　早速この飛び技の名前を考えなくてはですねぇ」




ぽんくす「気楽なもんですね！
　　　　　　こっちは大変だったんですよ？
　　　　　　結局、合計12回も飛ばされるし！」




BANX「ふむ～」






ぽんくす「西門の衛兵さんには何故か毎度違う口調で
　　　　　　警告されるし・・・」





BANX「なるほど」






ぽんくす「西病院の看護師さんには、しつこく通い過ぎて呆れられるし・・・」






BANX「よし、ではこうしましょう」






ぽんくす「なんです？」






BANX「『宇宙花火』なんてどうでしょうか？」






ぽんくす「技の名前はいいから！！
　　　　話、聞けよ！！」





記録嬢「♪」






BANX「まあまあ、そう怒らず。
　　　　今回のセラルカチャレンジ、たいした物じゃないですか！
　　　　いままでこんな成功を遂げた人はなかなか居ないと思いますよ？」




ぽんくす（そもそも、誰もこんなチャレンジしないよ・・・）






BANX「では、次はウィルノアですね♪
　　　　ルールはセラルカと一緒で良いでしょう。
　　　　今度も期待してますよ！！」




ぽんくす「えっと・・・。
　　　　　　洞窟が開通してないときはどうするんでしょう？
　　　　　　セラルカだって10回以上往復してるんですよ？」




BANX「臨機応変にお願いします♪」









































ぽんくす「・・・」

～To be continued～