ep29 とびメモ

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僕の名前はぽんくす。
現在15歳。
この春から、この『王立我飛（わがとび）高校』に通うことになった高校一年生。

この一年は受験で勉強漬けだったけど、なんとか志望校に入れたんだ！
待ちに待ってた高校生活。
勉強に部活に頑張って、できればカワイイ彼女なんかも作れたらなぁ・・・。























この高校には伝説があるんだ、
卒業式の日に校門近くにある、伝説の校長（ハゲ）像前で女の子から告白し、
成立したカップルは永遠に幸せになれて、永遠にバースト状態になれるとか！！
これは気合も入っちゃうよね♪

さあ、入学式も終わって今日から授業開始。
僕の高校生活はバラ色さ！！



























担任「え～、自己紹介も済んだので、ではクラス委員を決めよう。
　　　推薦とかあるか？」

シーンと静まり返る教室内。
みんな、ほとんどが初対面なのに、推薦なんてできるわけないと思うんだ・・・。
同じ中学出身者たちはフザけて「お前を推薦してやろうか？」みたいなことを
話してるし・・・。

そんな中・・・































委員長勇者「あの・・・私が立候補しますよ？」











どよめく教室内。
その理由は、立候補が珍しいからなんかじゃなく、
立候補した人の完璧なまでの委員長っぷりだったんだと思う・・・。

そして心の奥から湧き上がるこのドキドキ感は何？！
これが一目惚れってヤツ？！

その日の昼休み、僕は勇気を出して彼女に話しかけてみたんだ。





























ぽんくす「委員長！
　　　　　　クラス委員当選おめでとう！！」








委員長勇者「あ、どうも～。
　　　　　　　　当選って言っても、立候補したの私だけですけどね」








ぽんくす「それは、ホラ・・・・」
　　　　　（うわ、何って言おう・・・）

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A：委員長のあまりの委員長っぷりに、他の誰も立候補出来なかったんじゃないかな？
B：委員長なんて誰もやりたがるワケないじゃ～ん？
C：大人の事情やね・・・

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ぽんくす「委員長のあまりの委員長っぷりに、他の誰も立候補
　　　　　　出来なかったんじゃないかな？」








委員長勇者「私、委員長っぽいんですか？
　　　　　　　　褒められてるのか微妙な表現ですね」










微妙な印象を与えたようだ！！




ぽんくす「とにかく！
　　　　　　これからも宜しくね！！」














第一印象はイマイチだったけど、なんとか携帯の番号も聞き出せたので、
週末にでもデートに誘ってみようかな！！

～そして週末～

ぽんくす「さあ！待ちに待った週末！
　　　　　　早速委員長をデートに誘ってみよう！」













プルルルルル・・・プルルルルル・・・ガチャ






委員長勇者「はい」









ぽんくす「あ、僕です！
　　　　　　ぽんくすです～！」








委員長勇者「うわ。本当にかけてきた」









ぽんくす　（え？
　　　　　　　何この生々しい反応・・・）








委員長勇者「何か用ですか？」









ぽんくす「あ、うん
　　　　　　来週の日曜日はヒマ？！」








委員長勇者「カジノ行ってますね」









ぽんくす「うぐ・・・
　　　　　　じゃあ、再来週の日曜は・・・」








委員長勇者「カジノ行ってますね」









ぽんくす「その次の日よ









委員長勇者「カジノ行ってますね」









ぽんくす「・・・」









委員長勇者「カジノ行ってますね」

～週明け～

やっぱアレだよね。
クラス委員長なのにカジノに入り浸ってる人なんてダメだよね！
もっと高校生らしく、部活に打ち込んでる人とか・・・。

そんな考え事をしながら廊下を歩いていると

























サングラ子「邪魔だ！どけ！」









ぽんくす「え？！はい！！」











うわ！怖！！
でも、なんて男らしい人なんだろう！
そして心の奥から湧き上がるこのドキドキ感は何？！
これが一目惚れってヤツ？！

僕は勇気を出して彼女に話しかけてみたんだ。




























ぽんくす「あのっ！！」









サングラ子「あ？
　　　　　　　俺に何か用か？」

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A：けけけけ結婚してくださいぃぃぃ！（ウラ声）
B：サングラスは校則違反ですよ！？
C：その背中の獲物は・・・

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ぽんくす「その背中の獲物は・・・」









サングラ子「ああ、俺は剣道部なんだ」









ぽんくす「いや・・・剣道部でもそれはどうかと・・・」









サングラ子「いちいちうっせぇなぁ！！
　　　　　　　竹刀だよ！竹刀！！」








ぽんくす　（どう見ても金属製・・・）















ちょっと危ない人かもだけど・・・。
でも、部活に熱心な人なんて良いよねっ！！

これは是非デートに誘わないと！と思ったんだけど、
電話番号は教えてもらえなかったんだ・・・。

でもでも！
クラスに全学年の女子の電話番号から誕生日・スリーサイズまで調べてる人がいたので
こっそり教えてもらっちゃった！（個人情報漏洩）

～そして週末～

ぽんくす「さあ！待ちに待った週末！
　　　　　　早速グラ子さんをデートに誘ってみよう！」













プルルルルル・・・プルルルルル・・・ガチャ







サングラ子「はいよ」









ぽんくす「あ！僕、ぽんくすですけど！」











ガチャ・・・ツー・・・ツー・・・













ぽんくす「まあ、普通はこうなるよね・・・」

～週明け～

やっぱアレだよね。
銃刀法違反女子高生なんてダメだよね！
僕にはもっと真面目で大人な女性が合うと思うんだ！
先輩方にだって綺麗な人は多いし、焦らずゆっくり探していけば良いさ！！































ぽんくす「あ～あ、今日は帰りが遅くなっちゃったよ・・・
　　　　　　もう定時制の人たちも登校しだしちゃってるし・・・
　　　　　　早く帰ろう～」




































ぽんくす「？！」









OL勇者「？？」










































この落ち着いた物腰！！
上品な姿勢！！
やっぱり年上の人はこうじゃないとね♪

そして心の奥から湧き上がるこのドキドキ感は何？！
これが一目惚れってヤツ？！

僕は勇気を出して彼女に話しかけてみたんだ。






ぽんくす「えっと・・・定時制の方ですか？！」









OL勇者「はい～
　　　　　そうですよ～」








ぽんくす「僕、全日制一年のぽんくすっていいます！
　　　　　　定時制ってコワい人が多いのかと思ってたんですけど、
　　　　　　全然そんなこと無いんですね！！」







OL勇者「え～？
　　　　　定時制、全然怖くないですよ～
　　　　　全日制こそ、サングラスかけて大剣背負ってる方がいるとか
　　　　　聞いてますよ～？」






ぽんくす「あ、うん
　　　　　　あの人は多分、例外」








OL勇者「定時制は良い人ばかりですよ～？」









ぽんくす「そうなんだ！
　　　　　　定時制の人達に興味でてきちゃったなぁ！
　　　　　　良かったら、今度ゆっくり定時制のこと教えてくれません？」







OL勇者「はい～
　　　　　いいですよ～」








ぽんくす「じゃあじゃあ、携帯の番号交換してもらえます？！」









OL勇者「OKですよ～」









ぽんくす「やったぁ☆」











いきなり携帯番号もゲットできちゃって夢みたい！！
今回は期待して良いよね？！

絶対にデートに誘わないとだよね♪
いや～、週末が楽しみだよ！！

～そして週末～

ぽんくす「さあ！待ちに待った週末！
　　　　　　早速OL勇者さんをデートに誘ってみよう！」











プルルルルル・・・プルルルルル・・・ガチャ






OL勇者「はい～」









ぽんくす「あ！僕、ぽんくすです！
　　　　　早速電話しちゃいました！！」








OL勇者「ぽんくす君、こんにちは～」









ぽんくす「こんばんくす！
　　　　　　あの、先日も話しましたけど、ちょっと定時制の皆さんとも
　　　　　　仲良くなりたいなぁ、って思ってまして、是非OL勇者さんと
　　　　　　お話したいんですけど、来週の日曜って都合つきます？！」






OL勇者「え～？
　　　　　それってデートのお誘いってことですか～？」








ぽんくす「うん！
　　　　　そう、デートです！！」








OL勇者「私、彼氏いますよ～？」









ぽんくす「だったら攻略キャラとして

　　　登場するなよ！！」





OL勇者「どうして怒られてるんですか私～」









ぽんくす「すみません・・・
　　　　　　確かにOL勇者さんは悪くないんですけど、何かすごく理不尽さを
　　　　　　感じたもので・・・」







OL勇者「？？」









ぽんくす「すみません、忘れて下さい・・・
　　　　　　じゃあ、また学校で・・・」








OL勇者「はい～」

～週明け～

これ・・・恋愛シュミレーションゲームだよね・・・
失恋シュミレーションゲームじゃないよね？！

うん。気を取り直して行こう。

やっぱり全日制のほうが良いよね！
学校内で会うことも多いし、出会いのきっかけが多いもんね！
昼休みに出歩いていたら、バッタリ出会ったりなんてこともありそうだしね！































ぽんくす「な～んて
　　　　　　実際のとこは出会いなんてそうそう無いよねぇ・・・」












ドン！









ぽんくす　（っと、考え事してたら人と思いっきりぶつかっちゃった）








































ぽんくす「ゴメンね！
　　　　　　怪我は無かった？」









記録嬢「♪」









ぽんくす　（なんだろう・・・黙り込んでる
　　　　　　　無口で内気な子なのかなぁ？）









ちょっと寡黙な人だけど、こういうのもいいよね♪
おとなしくて、おしとやかな感じだし。

でも、どうしてだろう・・・。
この人と仮に付き合ったりしたら、物凄くブーイングを受ける気がする・・・。

とりあえず、上履きに書いてある名前を確認したのでクラスの個人情報漏洩屋さんに
連絡先を聞いてみた。

週末になったらデートに誘ってみよう！

～そして週末～

ぽんくす「さあ！待ちに待った週末！
　　　　　　早速記録嬢さんをデートに誘ってみよう！」











プルルルルル・・・プルルルルル・・・ガチャ






ぽんくす「もしもし、僕ぽんくすっていいますけど！」









携帯電話「・・・・・」




ぽんくす「えっと、先日廊下でぶつかった者なんですけど、あのときは
　　　　　ゴメンなさい！！」








携帯電話「・・・・・」





ぽんくす「いきなりの電話でビックリしたかもですけど、今僕、
　　　　　　ヒマでヒマで・・・
　　　　　　良かったら、ちょっと遊びにでも行きませんか？」










携帯電話「・・・・・」





ぽんくす「あの、もしもし？」











携帯電話「・・・・・」





ぽんくす「もしも～～～し！！」

～週明け～

迂闊だった・・・。
口数が少ないんじゃなくて、本当に喋れなかったとは・・・。
でも、そんな彼女に一言申したい。
なぜ携帯を持っているのか？！と・・・。

やっぱアレだよね。
相手のことを良く知らない状態で誘うのは良くないよね！！
これからは、気をつけよう。

























この学校に入学して結構経ったけど、まだ行ったことが無い教室とかもあるんだよね。
今日は普段行ったことが無い場所に行って、新しい出会いに期待しちゃおうかな！！

えっと、この先は進路指導室か・・・。
どう考えても出会いは無さそうだけど、ちょっと覗いてみようかな・・・。



























妙に日当たりの悪い、その部屋に彼女は一人でいた・・・。
どことなく憂いを含んだ瞳・・・。
神々しくも、華奢な姿・・・。
突っ込まずにはいられない冠・・・。







ぽんくす「えっと・・・
　　　　　　こんなところで何してるの？
　　　　　　あ、先生を待ってるとこかな？」








彼女は軽くうつむき、ゆっくり首を左右に振ると、想像してたより高い声で答えた。




？？「私はヌシ。
　　　『進路指導室のヌシ』ですわ。
　　　ヌシたるもの、常に自分のテリトリーを守るものでしてよ？」







ぽんくす「ヌシさんは何年生なんですか？」　　　　　









ヌシ「まったく。
　　　どうして皆、学年なんてものを気にするんですの？
　　　年齢がいくらか違う程度で相手への対応を変えるなんて・・・
　　　人の器は生きた年数ではなくってよ？」







ぽんくす「言われてみればそうかも・・・
　　　　　　ゴメンなさい、気をつけます」








ヌシ「学校に入学した頃でしたら4年ほど前ですわ。
　　　これで宜しい？」








ぽんくす　（普通にダブってるじゃん・・・）











すごくミステリアスな人だけど・・・。
でもこれも魅力の一つだよね！

そして心の奥から湧き上がるこのドキドキ感は何？！
これが一目惚れってヤツ？！

僕はなんとか彼女の携帯番号を聞き出したんだ。
ああ、週末が楽しみだなぁ♪

～そして週末～

ぽんくす「さあ！待ちに待った週末！
　　　　　　早速ヌシ様をデートに誘ってみよう！」











プルルルルル・・・プルルルルル・・・ガチャ






ぽんくす「もしもし、僕ぽんくすっていいますけど！」









ヌシ「あら？ごきげんよう。
　　　何か御用でして？」








ぽんくす「単刀直入に言います！
　　　　　　来週、どこかに遊びに行きませんか？！」








ヌシ「それは無理ですわね。
　　　私、ここから出ることが出来ませんもの」








ぽんくす「え？
　　　　　ここって、まさか・・・」








ヌシ「生徒指導室ですわ」









ぽんくす「やっぱり、そんな役なんですね・・・」









ヌシ「何のことですの？」









ぽんくす「えっと、そしたら進路指導室でお話でも・・・」









ヌシ「それは、わざわざ学校が休みの日にすることなんですの？」









ぽんくす「すみません、もう結構です・・・」

























こうして、僕の高校生活は何事も無く過ぎていったんだ・・・。
結局彼女どころか、ロクに友達も増えなかったなぁ・・・。

そして、今日は卒業式。
校長像の伝説も僕には無縁のものとなりそうです・・・。

そんな思いに耽って帰途につくと、なんと下駄箱に手紙が！！

「ぽんくす君へ　　卒業式の後、伝説の校長像前で待ってます」

僕は急いで校長像前に駆けつけた！



























息を切らせ着いたその時、木陰から一人の人が出てきて・・・


































BANX子「やや、どうもどうも、こんばんくす～」









ぽんくす「あんた誰？！」








BANX子「私ですか？
　　　　　　理事長の孫で、生徒会長で、あなたの幼馴染で、
　　　　　　海外からの留学生で、実は双子で、実は左利きで、
　　　　　　飛び部部長のBANX子ですよ？」






ぽんくす「無駄に設定多いよ！！

　　　　　しかも途中からミステリ小説の犯人みたいだし、そもそも
　　　　　アナタと幼馴染んだ記憶は無いよ！！」





BANX子「あなたには見込みがあります。
　　　　　　私の飛び部に入部し、全国大会を目指しましょう！！」








ぽんくす「たった今、卒業したとこだよ！！」









BANX子「私、理事長の孫ですよ？
　　　　　　あなたを留年扱いにするなんて造作もありませんって♪」








ぽんくす「勘弁して下さい・・・」

～BAD　END～

BANX「・・・というゲームを作ってみようかと思ってるのですよ～
　　　　バカ売れしたら、研究所の資金に充てましょう！！」








ぽんくす「いや・・・売れるワケないから・・・」

～To be continued～

Special Thanks！！

Ｆ ａ ｉ ｒ　Ｆ ａ ｂ ｌ ｅ　Ｆ ａ ｃ ｔ ｏ ｒ ｙ ．様
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