ep16 名犬ジョン

？「監査官・・・ですか？」

？？「左様。
　　　聞けば、貴公の研究所には軍の人間が居ないらしいではないか。
　　　王立機関である以上、品位ある行動と予算に見合った研究結果が
　　　求められるのだよ」

？「研究所に常駐させるおつもりで？」

？？「そうだな。
　　　軍からの通達は監査官より指示が行く。
　　　第一、所長である貴公からして民間人だからな。
　　　今後も所長としての裁量は貴公にあるものとするが、監査官は上官扱いとなる。
　　　肝に銘じておくように」

？「はぁ・・・。難儀なものですねぇ」

？？「貴公に拒否権は無い。
　　　また、月例報告は遅れないように。以上だ」

？「ご苦労様です」

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BANX「はい、皆様こんばんくす～。
　　　　今日は先日お話しました、新人さんをご紹介します」






ぽんくす「そんな話ありましたっけ？
　　　　　　それにしても、ウチって人増やし過ぎじゃないですか？
　　　　　　これ以上人が増えても仕事無いですよ」






BANX「おやおや？
　　　　なかなか鋭い意見ですね！
　　　　まあ、そのへんは大人の事情ですよ。
　　　　お気になさらず♪」





ぽんくす「そんなものですか・・・」








BANX「では紹介します！
　　　　今日から一緒に働く・・・・



　　　　・・・サングラ子さんです！！」



サングラ子「え？！
　　　　　　　いや・・・俺はそんな名前じゃ







ぽんくす「サングラ子さん！宜しくお願いします！」








記録嬢「♪」








サングラ子「はあ・・・・よろしく・・・・」








BANX「名前、ちょっと長いですね。
　　　　愛称はグラ子さんですね！」







グラ子（妙なとこに来ちまったな・・・）








BANX「グラ子さんの仕事は用心棒兼事務です。
　　　　研究の時以外で遠出するときには、護衛役もやって
           頂きます」






グラ子「ああ。
　　　　まあ適当にやらせてもらうんでヨロシク」







BANX「では、こちらの自己紹介ですね。
　　　　王立飛び研究所、所長のBANXです」







ぽんくす「えっと・・・
　　　　　　飛び職人のぽんくすです。

　　　　　　こっちは飛距離計測・記録係の記録嬢です」






記録嬢「♪」









グラ子「ん？
　　　　ああ。
　　　　そのちっこいのは自己紹介を自分で出来ないのか？」







記録嬢「！！」








BANX「お嬢は話すことが出来ないんですよ。
　　　　まあ、色々ありましてね」







グラ子（どっかで見覚えあるなコイツ・・・）








BANX「どうかなさいました？」








グラ子「いや、なんでもない。
　　　　これで全員か？」







BANX「あと１名ですね。
　　　　ちょっと通信してみます」







グラ子「通信？！」








BANX「ヌシ様～？」








グラ子「様？！」


















































ヌシ「ｚｚｚ・・・」

















BANX「残念。
　　　　今はお休み中のようですね







グラ子「ちょっと待て！！

　　　　コイツ何者だよ？！
　　　　なんか所長より扱い上じゃないか？！」





BANX「それは、やんごとなきご身分の方ですし








グラ子「コイツの仕事は何だ？！」








BANX「仕事？

　　　　回廊内で高貴なカリスマ性を振りまくことでしょうか？」






グラ子「ふざけんな！！」








BANX「ヌシ様については、セバスチャン氏に日記をつけて
　　　　頂いてますので、そちらを読みましょうか♪

　　　　近況が良く分かると思いますし！」

～ヌシさん日記～

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　著：あの人




○月×日

今日もヌシさんは日がな一日、何もしていません。

スキル上げには飽きてしまったようです・・・。

時間を持て余しているようで、最近はこんなことがありました・・・。

















































ヌシ「退屈ですわね・・・」








あの人「・・・・。」








ヌシ「セバスチャン？」








あの人「ト○マクです・・・」








ヌシ「ここ、二人では広すぎませんこと？
　　　私、ペットが欲しいですわ」







あの人「あ、ペットですか～。
　　　　　いいですね～！
　　　　　このやるせない気持ちも和らぎそうですし～」






ヌシ「やっぱり大型犬が良いですわよね。
　　　ゴールデン・レトリバーが良いですわね。
　　　グレート・ピレニーズも捨てがたいですわ・・・。

　　　名前は、やっぱりジョンですわね」




あの人「いいですねぇ！
　　　　　夢は広がります～」







ヌシ「捕ってらっしゃい」






































































　　　












あの人「・・・・・え？」


























いつも言い出すことが急で困ります・・・。

でも、ペットのことでしたら心当たりがありましたので、そこに頼み込むことにしました。

















あの人「ヌシさん、なんとか育成の許可がでました！！」








ヌシ「育成ですって？」








あの人「はい！
　　　　　今、ジョンちゃん卵から孵りました！
　　　　　写真これです！」
































ヌシ「あら？
　　　イメージとは違いますけど、宜しいんじゃなくて？
　　　しっかり育てなさいな」






あの人「はい！
　　　　　頑張ります！」


























生まれた子はとても愛らしく、私は愛情を込めて育てました。























あの人「ヌシさん！
　　　　　見て下さい！
　　　　　ジョンちゃん、また成長したんですよ！！」





































ヌシ「あらあら。
　　　イメージに近くなってきましたわね」







あの人「ですよね？！ですよね！！
　　　　　もう少しで封印卵になりますので、
　　　　　ここに連れて来れますよ！！」






ヌシ「待ち遠しいですわ。
　　　早くなさい」







あの人「はい！
　　　　　頑張ります！！」

























そして、ついにその日はやってきました




















あの人「ヌシさん！やりました！
　　　　　ついにジョンちゃんが封印卵になりました！！」







ヌシ「あらあら？
　　　ご苦労様。
　　　卵とやらを持ちなさい」

















































あの人「いよいよですね・・・」








ヌシ「そうですわね。
　　　開けますまよ？」











































「「！！」」






































あの人「おめでとうございます！！
　　　　　無事生まれました！！」







ヌシ「あら、ありがとう。
　　　何の種族でして？
　　　ゴールデン・レトリバー？
　　　それともグレート・ピレニーズでして？」





あの人「あ！！
　　　　　種族の名前もなんか高貴ですよ！！」







ヌシ「もったいぶらずに早くおっしゃい！」








あの人「えっと・・・・
　　　　　『クリスタル』です！！」
























































































































































































ヌシ「・・・・・・・・・・・・・」








あの人「・・・・・・・・・・・・・」








ヌシ「・・・セバスチャン？」








あの人「・・・ト○マクです」








ヌシ「これは何ですの？」








あの人「ジョンちゃんです・・・」










































ヌシ「写真では耳が生えてましたわよね？」
　　　







あの人「・・・足になっちゃったんでしょうかね」








ヌシ「ジョン、ワンと鳴いて御覧なさい？」



















































ジョン「ギチギチギチギチギチギチギチギチ」














「ギチギチギチギチギチギチ」

ヌシ「・・・・・・・・・・・・」










「ギチギチギチギチギチギチ」


あの人「・・・・・・・」








「ギチギチギチギチギチギチ」




































・・・・寿命が縮まるかと思いました。

～ヌシさん日記・続く～
 

グラ子「・・・何コレ？」








BANX「いやいや、さすがヌシ様！
　　　　期待通りの活動ですよ！！」







グラ子「オマエは一体、何がやりたいんだよ・・・」








BANX「こんな面々です。
　　　　ではでは、今後とも宜しくお願いしますね♪」







グラ子　（まあ、深く関わらないでおこう・・・）

～To be continued～